うれしい時や悩み事があるときは仏様に向かって手お合わせる。毎日ご先祖様へ心を込めて感謝の気持ちをあらわす。 一家だんらんの中に仏壇を置いて、お子様の成長や日々の家族の営みをご先祖さまに報告する。そうした生活が豊かな心を育み、潤いのある生活をもたらします。 また、法要の時など、日ごろは離れて暮らしている親戚がお仏壇の前に久しぶりに顔をそろえれば、一族の絆はより一層深まるでしょう。 このようなことを考えると、家族の中心にお仏壇をお祀りすることでもたらされる幸せは何にも代え難いのではないでしょうか。
しかし、お仏壇の購入については悩まれることも多いと思います。お仏壇やお位牌そして各種の仏具は単なる部屋の飾りとは違い、ご先祖様をしのび、仏事を営むためのものです。 お寺に行くとお寺の中心である本堂には須弥壇があり、そこにはご本尊さまが祀られています。 家庭の仏壇も同じことで、仏壇の中央奥最上段には須弥壇があり、ここにご本尊さまをお祀りします。 つまり、お仏壇は家庭の中にある小さなお寺なのです。ですから、礼拝のための機能を果たせるものでなくてはなりません。そして、それぞれの宗派の決まりごとにあっていなければなりません。
何を買ったらいいのかわからない、何をそろえればいいのかわからない、そんなときはぜひ仏事コーディネーターの資格を取得した、専門の相談員が在籍する当社にご相談ください。気になる点があれば納得ゆくまでご質問いただき、じっくりとお選びになるのが良いと思います。

お仏壇はまず、「金仏壇」「唐木仏壇」に分かれます。金仏壇は正式には漆塗金仏壇といい、漆と金箔の装飾が荘厳な印象を与えます。唐木仏壇は、黒檀や紫檀のような銘木を使用し、落ちついた重厚な風合いを見せるお仏壇です。 また、それぞれに「台付き型」と「上置型」があります。それぞれのご家庭の環境によって、設置できる仏壇の大きさも違いますので、その中から大きさの適したものを選ぶと良いでしょう。 仏壇は大きいから高級、小さいから高級ということはありません。製造工程で多くの仕事を要しますので、小さくても精緻で、手のかかっているものもあり、使用する素材や金具の種類などによっても価格が違ってきます。

六尺(一間)仏間用台

どっしりと落ち着いて、家庭の中心といった感じです。

四尺~六尺仏間用台付

内部の作りに余裕があり、飾り付けがゆったりとできます。

半間仏間用台付仏壇

もっとも一般的なサイズで、このクラスは種類も豊富です。

半間仏間用半台付仏壇

少し背が低く、地袋つきの仏間にぴったりな作りになっております。

上置き型仏壇

箪笥の上などにおける小型の仏壇仏間がなかったり、狭い部屋でも仏壇台やたんすの上において使います。

唐木仏壇は、黒檀や紫檀などの美しい木目を生かした仏壇で、金仏壇に比べシンプルです。 唐木仏壇の値段は、材料として使われている木材の種類が大きく影響します。黒檀、紫檀が最もよいとされていますが、最近では唐木でなく和木も多く使われ、屋久杉をつかった仏壇などは最高級品とされています。木材はそれぞれ原産国が異なるので、その国の輸出規制などによって、値段も変動することもあります。お仏壇を選ぶ際に注意していただきたいのは、必ずしも大きな仏壇が高価であるとは限らないことです。
その理由はまず素材の違いです。紫檀・黒檀・鉄刀木・シャム柿・ケヤキなどの材料によっても違いますが、唐木仏壇に使われる銘木は非常に高価であるため、これだけを使用して仏壇を作成すると材料費が莫大になります。そのため、銘木だけでお仏壇を作るということはめったにありません。多くは目に見えるところに銘木を使い、その他の部分には別の木材を芯材として使っています。この見えるところにだけ唐木を使う工法を「練り」と呼びます。この「練り」方にもいくつか種類があり、前練・二方練・三方練・四方練と使う材料が増えるにしたがって高級になります。また「ツキ板」といって唐木を紙のように薄くスライスし て芯材に張りつける方法もあります。このように高級な原木を使用する段階によって、仏壇の価格にも差が生じます。無論、もっとも高級なものは芯材をまったく使わない総無垢工法で作成されたお仏壇になります。
金仏壇は、使われている金箔の質と量、塗られた漆の厚さ、そして細工のたくみさによって値段が変わってきます。中でも金箔がどのようにつかわれているかは、特に値段に直接影響します。金箔の厚さによって、一枚掛、二枚掛、三枚掛とあり、三枚掛が最も高価となっています。また、塗りの技術も非常に重要です。漆を塗るということは、高度な技術が必要なだけでなく、気温や湿度といった天候にも塗り具合が左右されてしまいます。少しでも技術が未熟だと、漆が垂れて跡が残ってしまったり、色むらができたり、はがれたりしてしまうこともあります。
仏壇に使用される木材の性質は下記のページをご覧ください。

黒檀

紫檀

鉄刀木

シャム柿

黄王檀

ケヤキ

お仏壇の飾り方は宗派ごとの決まりがあり、それぞれ違います。お仏壇のお飾りの中でも最も重要になるのは、もちろんご本尊と脇侍仏ですが、ご本尊はその宗派の中心となる経典をもとにきまっており、ご本尊の左右に飾られる脇侍仏も違います。
次に大事になるのは香炉・花立・蝋燭立で、それぞれに香を焚き、花を供え、蝋燭を灯すためのお仏具です。これらは最低限必要なものとされ、三具足・五具足といわれます。その他の仏具は宗派によって、飾る種類や形に違いがありますが、位牌、法名軸、りん、木魚、瓔珞、内敷、仏飯器などがあり、仏壇の大きさに合わせて用意します。

飾り例
曹洞宗

唐木仏壇に曹洞宗で使う仏具を飾kkった一例です。お仏壇の中央に、ご本尊の釈迦牟尼仏をまつり、向かって右に高祖、承陽大師道元禅師を、左に太祖、常済大師瑩山禅師を配して「一仏両祖」の三尊仏形式としてまつります(一仏両祖を一本とした、三尊仏の掛け軸もあります)。 また、右に達磨大師を、左に道元禅師と瑩山禅師をまつる場合もあるようです。

飾り例
浄土真宗本願寺派

金仏壇に浄土真宗本願寺派で使う仏具を飾った一例です。 像の阿弥陀如来を中央に飾ることが多いようですが、最近では木像を飾ることもあるようです。 そして向かって右に「帰命尽十方無碍光如来」の十字名号を、左に「南無不可思議光如来」の九字名号を飾ります。また、右に親鸞聖人、左に蓮如上人の絵像を掛けることもあります。

飾り例
浄土真宗大谷派

金仏壇に浄土真宗大谷派で使う仏具を飾った一例です。 阿弥陀如来をご本尊として中央に飾ることが多いようです。脇掛けは向かって右に「帰命尽十方無碍光如来」の十字名号、左に「南無不可思議光如来」の九字名号を飾ります。あるいは右に親鸞聖人、左に蓮如上人のご影像を掛けることもあります。脇掛けが十字名号・九字名号の場合、その前に仏飯器はそなえません。 浄土真数本願寺派(西本願寺)と浄土真宗大谷派(東本願寺)で仏具に若干の違いがあります。

お仏壇を購入して仏間に収めようとしたところ、寸法が合わないということがあったら大変です。すでに仏間がある場合にはお仏壇を安置する場所の寸法を正確に測り、余裕を持った寸法のお仏壇を購入するようにします。特に扉を四十五度に開くことができるように、幅はゆったりと余裕も持ったお仏壇をご用意なさったほうが良いでしょう。さらに奥行きと高さにも注意が必要です。
仏間には大きく分けて戸袋がない仏間と戸袋付きの仏間があり、戸袋の大きさ(高さ)によっても雰囲気が大きく変わります。
下記のお仏壇の安置例をご覧ください。

一間仏間におさめた例

どっしりと落ちついていかにも家族の中心といった感じです

最も多い半間仏間におさめた例

重ね型仏壇は、サイズも種類も最も豊富です 右図も半間仏間におさめた例ですが、こちらは地袋付き仏間の場合です。

押入れ改造例

仏間がない場合には、押入れを改造して仏間にする方法が最も簡単で、また、費用も節約できます。

上置仏壇の安置例

仏間がなかったり狭い部屋の場合にも、仏壇台を置くなどの工夫で仏間は生まれかわります。

洋間にお仏壇を安置した例

ここでは比較的シンプルなデザインの仏壇を洋間におきました。生活スタイルやお住いの様式に合わせて仏壇を選ぶこともできます

お仏壇の向きについては南向きが良いとか東向きが良いといいますが、こだわる必要はないと思います。
俗説ではいろいろなことがいわれていますが、絶対に「こうしなければならない」ということはありません。ほとんどが迷信といっていいでしょう。例えば、仏壇と神棚を同じ部屋にしてはいけないということがいわれることがあります。
仏様と神様がけんかすると・・・。一応もっともな説にも聞こえますが、これも気にする必要はありません。お寺と神社ですら、同じ境内にあるところがあるわけです。むかしから同じ部屋に仏壇と神棚を置く家は多く、隣に置くこともあったようです。
それぞれの住宅にはそれぞれの事情がありますので、それを無視して無理に方角などにこだわると、逆にお参りに不都合を生じかねません。仏様に失礼がないような場所で、お参りが気持ち良くできる場所であればどんな場所でもいいのです。

仏壇は直射日光や湿気や極端な乾燥を嫌いますし、塩分やこぼれた水でも痛みやすいものです。丁寧に取り扱ってください。金箔の箇所は毛ハタキでそっとホコリを払ってください。直接手を触れたり、布で拭くことは絶対にしてはいけません。それ以外のところは、やわらかい布地やシリコンクロスで空ぶきします。
ご仏像や位牌、扉や内障子のサンにたまったホコリは、穂先のやわらかい毛筆で払ってください。蝶番や飾り金具の部分は、手を触れた後は軽く布でふき取ってください。指紋が付いたまま放置しますと、変色や錆の発生につながります。

仏事に関するプロフェショナルとして、皆様の仏事のお手伝いをいたします。
「仏事コーディネーター」とは、仏教と仏壇仏具、また、それらを取り巻く「仏事」に関する豊富な知識を持った資格者のことです。
核家族化が進み、地域とのかかわりが薄らいできた現代においては、亡くなった方のご供養や、さまざまな仏事について「よくわからない」ことばかり。各ご家庭で日々お祀りするお仏壇、仏具の選択基準や、お盆・お彼岸のむかえ方についても、正しい知識を有していない方が増えています。
「仏事コーディネーター資格制度」は、平成16年からスタートした制度で、 全日本宗教用具協同組合(経済産業省認可法人)が後援する「仏事コーディネーター資格審査協会」が仏事に関する豊富な知識を持った実務経験者を講習と試験により審査し証明します。 仏壇仏具の販売店は全国各地に多数ありますが、その中に「仏事コーディネーター」の資格を持つ者は、わずか1,350名しかおりません(平成21年10月)。
弊社では一回目4名、2回目1名が合格いたしました。仏事に関してわからないこと、素朴な疑問があれば、何なりとお気軽にご相談くださいませ。

竹谷 伸人

仏事コーディネーター
竹谷 伸人

認定番号

05-1010339